私が大きな影響を受けた本として、渋沢栄一の『論語と算盤』と、梅棹忠夫の『文明の生態史観』の2冊を挙げたい。
みずほフィナンシャルグループ会長
塚本隆史
1950年、東京都生まれ。筑波大学付属駒場高校、京都大学法学部卒業。74年第一勧業銀行入行。82年ハーバード大学経営大学院経営学修士取得。2002年みずほコーポレート銀行(CB)執行役員、03年みずほフィナンシャルグループ(FG)常務、07年CB副頭取、08年FG副社長、09年社長。11年6月より現職。
塚本隆史
1950年、東京都生まれ。筑波大学付属駒場高校、京都大学法学部卒業。74年第一勧業銀行入行。82年ハーバード大学経営大学院経営学修士取得。2002年みずほコーポレート銀行(CB)執行役員、03年みずほフィナンシャルグループ(FG)常務、07年CB副頭取、08年FG副社長、09年社長。11年6月より現職。
前者は、2007年にサブプライムローン問題に端を発する金融危機が広がっていたときに、ふと思って再読した。すると、すっと腑に落ちるものがあった。おそらくこの本には、この10年の世界的な変革を乗り切るためのインプリケーション(含蓄)があふれているように思う。『論語と算盤』の著者である渋沢栄一は、日本ではじめて株式会社や銀行などをつくった実業家で、「日本資本主義の父」ともいわれている。同書は渋沢が、自らのビジネスでの体験をベースにしながら、論語の意義をわかりやすく説いたものをまとめた本で、当時、すでに76歳だった。内容を鑑みると、彼の生き方の集大成ともいえる。
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