富裕層は育児にどれくらいお金をかけているのか。富裕層の世帯数や資産額の推計を行う野村総合研究所(NRI)の独自調査によると、世帯年収3000万円以上の「スーパーパワーファミリー」は、お金をかけてでも子どもの好きなイベントや体験の機会を得ようとする傾向が強いという――。

※本稿は、竹中啓貴・荒井匡史『「いつの間にか富裕層」の正体 普通に働き、豊かに暮らす、新しい富裕層』(日経BP)の一部を再編集したものです。

公園で娘と遊ぶ両親
写真=iStock.com/Liderina
※写真はイメージです

50歳前後で資産1億円以上の「富裕層」に

「いつの間にか富裕層」に続き、近年富裕層市場で存在感が増している2つ目のセグメントはフローリッチ型の富裕層である「スーパーパワーファミリー」です。

NRIでは、「スーパーパワーファミリー」を都市部居住で世帯年収3000万円以上の大企業共働き世帯に代表される層と定義しています。

「スーパーパワーファミリー」は、20〜30代の間は子育て・教育の支出や住宅ローン支払いに苦労しますが、30代で昇格・昇給を経て世帯年収が2000万円を超え始め、金融資産を積み上げていきます。最終的には世帯年収3000万円に達し、50歳前後には富裕層となる可能性があります。

「夫婦ともに年収1000万円以上」は7万世帯

「スーパーパワーファミリー」の詳細を掘り下げる前に、世帯の収入の全体像を確認しましょう。

総務省の「令和4年就業構造基本調査」では世帯年収2000万円以上の世帯割合は1.2%、厚生労働省の「令和6年国民生活基礎調査」では世帯所得2000万円以上の世帯割合は1.3%とされています。

いずれも世帯年収2000万円以上を一括りにしており、より細かい内訳は不明ですが、令和6年時点の世帯数は約5500万世帯ですので、世帯年収2000万円以上の世帯は60万〜70万世帯程度だと考えられます。

さらに、総務省の「労働力調査」では、配偶者がいる男女について、妻の年収と夫の年収別の人数の数値が公表されています。令和6年時点の数値をもとにすると、夫婦で世帯年収2000万円以上と考えられるのは、夫婦あり世帯(約1630万世帯)の中で約3.3%の55万世帯に上ります。

さらに、夫婦ともに年収1000万円以上の世帯は約7万世帯と、富裕層165万世帯の中では少数派ではあるものの、約5%程度の割合を占めており、徐々に注目を集める存在となってきています。