不動産価格の高騰で、「賃貸派」が増えている。司法書士の太田垣章子さんは「目先のことだけでなく、自分は死ぬまでこの家賃を払い続けることができるのか、ということを考えて長期的に人生設計をすることが大切だ」という――。

※本稿は、太田垣章子『「最後は誰もがおひとりさま」のリスク33』(ポプラ新書)の一部を再編集したものです。

雨の水滴がつく窓の向こうでスープを食べるシニア女性
写真=iStock.com/KatarzynaBialasiewicz
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年金に頼れない73歳の「おひとりさま」

賃貸の場合、家賃を死ぬまで払い続けられるか不安です……
→人生の最後をどこで迎えたいかはライフプランとも関係してきます

ミズエさん(仮名・73歳)が、家賃を滞納しているということで、家主から私のところに明け渡しの訴訟手続きを依頼されました。家主は毎月のように督促をしますが、のらりくらりとかわされてしまい、6万5000円の家賃なのに、既に20万円近く滞納になっているとのことでした。

この話のポイントは、賃借人の年齢が73歳ということ。そして家賃が生活保護の受給レベルより高いということです。

ミズエさんは、まだ働いていました。その理由はただひとつ。もらえる年金がほとんどないからです。ミズエさんは国民年金の対象で、さらにこれまで年金をほとんど払ってこなかったため、今働いて得る収入だけが頼りです。

生活保護を受給するためのルール

73歳の現時点で、働いていること自体がすごいとは思いますが、近い将来に働けなくなる時がきっときます。その時には、収入は途絶えます。そうなるとどうやって生きていくのでしょう……。

あとは生活保護を受給するしかなくなります。でも生活保護を受給するためには、その受給ラインの家賃帯、つまり5万3000円以下(金額はエリアによって変わります)の物件に住んでいないといけません。生活保護の受給ラインより高額な家賃の部屋に住みながら、家賃補助は受給することは基本できません。最後のライフラインだからです。