連日のように報じられるクマの出没。被害者数は過去最悪を更新した。市街地にまでクマが現れる異常事態に、政府は自衛隊の派遣を実施。ただ、社会学者の西田亮介氏は「政権浮揚にクマ問題を利用している」と言う。根本的な解決策は存在するのか。西田・安田両氏が語り合う――。
北海道知床半島の道路を横断するヒグマ
写真=iStock.com/Satoru S
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月1000頭ペースで捕獲しても被害が多発

【西田】2025年は本当にクマ問題が深刻でしたね。

【安田】「クマは山の中の話」ではなくなった、という年でした。つい先日もオンライン会議で研究者仲間と打ち合わせをしていたのですが、その中に東北大の先生がいたんです。彼も「東北ではクマの出没が日常になっている」と言っていました。ワイドショーのトップが必ず「今日のクマ被害」「目撃情報」から始まると。

【西田】盛岡では銀行の地下にクマが出ましたし、最近も群馬県の沼田駅前のトイレで被害が出たというニュースがありました。それこそ学校や幼稚園といった街の象徴的な場所にも現れている。クマの出没が日常の風景になってしまっています。