チャットGPTの登場から3年、生成AIの利用が急速に広がっている。マイクロソフトやグーグルといった米国IT大手への利用料は年々増大。「デジタル赤字」が問題視される中で、日本人はAIとどう向き合えばいいか。AIで変わる仕事のあり方を、西田・安田両氏が語り合う――。

「国産AI」にイマイチ期待できない歴史的背景

【安田】最近のAIの進歩には目覚ましいものがあります。大学など教育の現場でもちょっと前までは「使うか、使わないか」が議論されていたものですが、いまではすっかり「どう使うか」が問われるようになりました。実際のところ、西田さんは仕事にどれくらいAIを活用していますか?

【西田】いやあ、もうAIに頼らないと生きていけないレベルですよ(笑)。研究や文章執筆、調べ物まで、かなり使っています。GeminiとClaudeには課金していますし、調べ物にはPerplexityをよく使います。さらにXに統合されているGrokも、世の中の動向や炎上しているトピックの背景を摑むには便利ですよね。同じ質問を複数のAIに投げかけ、回答を比較しながら思考を深める、というのがすっかり日常になっていますよ。安田さんも研究にかなり活用しているのでは?

【安田】実は正直に言うと、私はあんまり使っていないんですよ。せいぜいChatGPTを論文執筆の補助や英文校正に利用する程度です。あ、ただ最近、ある研究テーマを思いついたときに「すでにこの観点での研究はあるか」と尋ねてみたことはあります。これまでは存在しない論文をさもあるかのように紹介してくるハルシネーションが問題になっていましたが、最近のAIは既存の論文であれば相当正確にリストアップしてくれるようになっていて、驚かされましたね。

(構成=稲泉 連 撮影=大槻純一)
【関連記事】
なぜ外国人観光客が増えるほど日本人の生活が苦しくなるのか
世界一の自動車メーカーがあるのになぜ日本人の生産性は韓国より低いのか
銀行口座なのに銀行らしくない…三井住友「オリーブ」が大成功したワケ
健康診断を受けて不健康になる人の残念な共通点
ウェブサイトを現代の茶室に Fastly日本法人社長 今野芳弘