「いい人」だがイノベーションを起こせない組織内管理職が増えてはいないか。ベストセラーシリーズ最新刊『1日1話、読めば心が熱くなる365人の人間学の教科書』の編集を担当した小森俊司さんは「マネージャーとリーダーの混同があるのではないか。今回、雑誌『致知』47年間のリーダーの言葉をたどり、本物のリーダーには逆境を突破する“覚悟”があると学んだ」という――。(第1回/全3回)
パナソニックホールディングスを一代で築き上げた経営者松下幸之助さんは、「経営の神様」の異名で知られる。
写真=時事通信フォト
パナソニックホールディングスを一代で築き上げた経営者松下幸之助さんは、「経営の神様」の異名で知られる。

力を失う「リーダーの言葉」

リーダーという言葉には、読んで字の如く、「導く」という意味がある。

ではいったい、何によって人を導くのか。その最たるものの一つは、リーダー自らが発する「言葉」だといえるだろう。

しかしいま、組織を導いていく立場にある人が、最初から「できないかもしれない」と弱音を吐いたり、言い逃れをしたり、はたまた発言そのものを撤回したりと、言葉に向き合う姿勢そのものが軽んじられているケースをよく見かける。

そうした傾向は、リーダー自身による「覚悟のなさ」に起因するといえるのではないだろうか。

あなたの言葉に「覚悟」はあるか

このたび刊行した『1日1話、読めば心が熱くなる365人の人間学の教科書』では、じつに47年もの長きにわたり、すべてを引き受ける覚悟を持って難局に相対したリーダーたちが発した数々の名言を網羅している。

リーダーとは、組織から与えられた肩書のことではない。自らの発する言葉でその覚悟を示すとともに、人の心を鼓舞し、行く道を指し示し、運命を開発していった「先導者」にほかならない。

さて、いま組織の長を務める人は、自らの言葉にどれだけの覚悟を込められているだろうか。その覚悟が周囲にも伝わり、人を感化しているだろうか。

この問いに対し、「自分はできている」、また、「自分はそうなれる。そうなる」と断言できる人のみが、真のリーダーたりうる。

本稿では同書の中から3人のリーダーの言葉を紹介する。ぜひご自身に置き換えてお読みいただきたい。