簡単に言えば、日本と世界の歴史を解説した本です。前作『17歳のための世界と日本の見方』もそうでしたが、語り口は易しいものの、実際は大人向けで難しい。
この著者のキーワードは「編集」。日本史も世界史も習って知っているつもりでいても、語れるわけではありません。冒頭から織田信長とエリザベス女王の意外な繋がりを提示するなど、彼なりの視点で歴史の縦糸、横糸を紡いでいます。いうなれば、断片的な知識を総括したいという欲求――。それを叶えてくれるのが最大の魅力です。
面白いのは資本主義に疑義を呈しているように読めること。多様性を大事にし、日本的なものを見直そうという提言が込められているのだと思います。