今から10年前、鈴鹿富士ゼロックス(生産子会社)の社長として、在庫、原価削減などの問題に取り組んだが、開発一筋だった私には七転八倒の毎日だった。
同書は、工場の出来事を小説風にわかりやすく書いた点が気に入った。特に工程管理の大切さを説く個所に、共感できた。
企業活動には、制約条件やボトルネックが存在するが、効率化促進のためには、これらを分析し、改善し続ける必要がある。
また経営を個別に見れば、生産物に付加価値を付けて利益を出すのが工場だが、全体としては開発、生産、販売が連携し、最適化するべき、という考えを再認識させてくれる。工場のガイダンス本として、営業マンや新入社員にも勧めたい。