「未来を支配したいなら、先に買いに行くしかない」
企業を見るとき、私たちは「何をしている会社か」という問いから始めてしまう。しかし、ソフトバンクグループ、アップル、エクソンモービル、デルタ航空、バークシャー・ハザウェイという5社を“業種”で分類しても、本質には到達しない。これら5社が表現しているのは、事業の種類ではなく、「企業という存在を何によって動かすのか」という“OS(Operating System)としての構造”である。事業はアプリケーションにすぎない。OSが古ければ、アプリは動かない。これはあらゆる産業に共通する原理であり、5社はそれぞれ異なる角度からそのOSを極端に体現している。にもかかわらず、日本ではこの視点がいまだ根づいていない。だから変革が掛け声倒れに終わり、DXが表層で停止し、新規事業が孤立する。本来変えるべきは、事業ではなくOSだからだ。
一見業種がバラバラの5社は、実は「企業OS」という共通構造で動いている。企業OSとは、企業の中枢で「どのように意思決定し、未来へ適応し、資本を動かし、危機を吸収するか」を決める深層的な仕組みだ。その核には“資本金格(Capital Personality)”がある。企業は最終的に「資本をどう置くか」で人格が決まる。5社の資本金格は鮮やかだ。ソフトバンクグループは「未来への焦燥」、アップルは「完璧さの美学」、エクソンモービルは「現実への敬意」、デルタ航空は「生存の本能」、バークシャー・ハザウェイは「信頼の複利」。これらはスローガンではなく、資本配分や組織の動きの“深層コード”として刻まれている。
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