「身体を持つAI」の時代が始まる

2025年1月、米国ラスベガスで開催された世界最大のテクノロジー見本市・CES2025で、NVIDIA(エヌビディア)は「Physical AI」(フィジカルAI)という言葉を世界に投げかけた。ジェンスン・フアンCEOは「50兆ドル(約7400兆円)規模の産業を変革する」と宣言し、生成AIの次に来る地殻変動を高らかに示した。

ここでいうフィジカルAIとは、簡単に言えば「AIが物理世界にやって来た」ということである。これまでの生成AIはテキストや画像といった情報空間にとどまっていた。しかしフィジカルAIは、ロボットや自律システムを通じて現実世界を理解し、考え、そして実際に動くAIを意味する。倉庫で荷物を運び、薬局で接客し、手術室で医師を支援する――そうした「身体を持つAI」の時代が始まりつつあるのだ。

(写真=時事通信フォト)
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