駅は通過点から「滞在と体験の場」に変わる
JR東日本が2025年7月に掲げた長期ビジョン「勇翔2034」が注目されている。これは「鉄道とは何か」という問いそのものの再定義である。かつて鉄道は“移動のインフラ”だった。しかし、いまJR東日本が見据えるのは、人と時間をつなぐ“感動のインフラ”である。「高輪ゲートウェイの都市OS」「Suica Renaissance(ルネサンス)」「地域みらいブレインリンク」は、その挑戦を鮮明に映す未来の地図だ。
駅は“都市のOS”へ。Suicaは“生活のデバイス”へ。そして地域は“共創のエコシステム”へ。JR東日本はいま、レールを敷くだけの企業から、社会をつなぎ直す“時間の設計者”へと変貌しようと目論んでいる。「勇翔2034」が掲げるのは、“鉄道中心のインフラ発想”から“ヒト起点のライフデザイン”へのシフト、すなわち「ライフスタイル・トランスフォーメーション(LX)」だ。JR東日本は、モビリティを超えて“時間と心の体験”を再構築する企業へと進もうとしている。この変革には、3つの明確な「逆説」が存在する。
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(写真=時事通信フォト)



