交渉のカギは「日米造船同盟」にあり

ドナルド・トランプ米大統領の「関税強化」と「ドル安誘導」という2大政策に世界中が振り回されている。日本はこれにどう応じるべきか。防戦一方の交渉ではダメだ。日本政府は米国にとって戦略的に意味のある“能動的提案”を行う必要がある。

筆者は、その最有力分野が「造船業」だと考える。トランプ政権は軍用・商用の造船業の国家的再建を目指している。就任してすぐ、ホワイトハウス内に「造船局」を新設したのは記憶に新しい。背景には、造船業における中国の台頭がある。米国はすでに中国に造船能力で232倍の差をつけられ、自国建造力の喪失が安全保障上の脅威として顕在化している。

ここに、日本の提案の入り口がある。日本は、造船業を「海洋インフラ」「国際物流」「防衛」を支える“構造同盟産業”として位置づけ、米国とともに日米共同造船体制を構築することで、トランプ氏の国家戦略を支援し、同時に関税・通貨問題に対する協調的アプローチを提示すべきだ。