ねづっち(Wコロン)
1975年、東京都生まれ。木曽さんちゅうと漫才コンビ「Wコロン」を2004年に結成。即興謎かけで、昨年大ブレークし、人気者に。作品づくりの速さもさることながら、「『おれたちひょうきん族』とかけて『走り屋のレース』ととく、その心は『ドリフと(ドリフト)凌ぎをけずります」といったヒネリの利いた発想が持ち味。大学受験の得意科目は、古文。「多いときは一日1冊の古文問題集を6~7時間かけて全部やっていました」。ナイツ、ロケット団を含むライブDVD『浅草三銃士』(Contents League)発売中。
どうも、ねづっちです。早速ですが、整いました! プレジデントとかけまして、ソーラーシステム開発者とときます。その心は、常に「シャイン」のことを考えています。
最近、いろんなところに呼ばれて謎かけしているお陰で「整える」時間が短くなりました。なぜ、即興でできるのか。よく聞かれるのですが、自分でもよくわかりません。先日、ある番組の企画で脳の動きを医師に調べてもらったら、言語を司る左脳だけでなく、右脳も活発に働く「ひらめき脳」だからと言われました。
自分としてはあまりピンとこないのですが、お題をもらうと、絵や言葉が頭にずらずらっと浮かぶことはあります。お題の同音異義語や関連ワードのライブラリーの中から瞬間的にオチを探しています。
とにかく謎かけが大好きで、仕事以外にも、芸人仲間と「謎かけナイト」、通称「NN」を開いています。ナイツやロケット団、U字工事、コージー冨田さんなどと夜な夜な浅草に集まるんです。
居酒屋で、酒飲みながら、誰かがお題を出して、謎かけを言い合って、褒め合う。ひとしきりしたら「ODC=お題チェンジ」して、またあれこれ考える。「後追い謎かけ=AN」もありです。店が看板になるまで延々続けるんですが、一番長いときで夜7時から翌朝8時まで、13時間ぶっ続けという日もありました。
酔ってベロベロになりながらも周囲のお客さんが唖然とするくらい真剣にやります。まあ後半は、ピンク謎かけになって、おっぱいとかけて、いざこざとときます、その心は「すったもんだする」でしょう、なんて下ネタになるんですけれどね。そういう遊びが、僕の謎かけ芸の肥やしになっているのかもしれません。
僕の出発点は浅草です。寄席に立ち始めて、もう10年以上経ちます。テレビの仕事が増えた今も、定期的に浅草の舞台で勉強させてもらっています。テレビでタレント的に売れるのはとてもうれしいのですが、地に足をつけて謎かけ漫才を舞台でやりながら一生芸人として生きていけたらなと、僕は思っています。
この2軒は、先輩芸人や師匠たちが、腹をすかせた若造の僕らを連れていってくれた店です。今でも顔を出すと、店のオヤジさんは「おまえ、よく闘っているぞ」と熱く激励してくれたり、生粋の浅草っ子の女将さんが里帰りした息子を迎えてくれるように優しくしてくれたり。僕にとってのパワースポットなんです。
今度、お世話になった師匠をお連れして、自腹ではとても注文できなかった鯨の刺し身などを、ご馳走させていただこうと。それが、せめてもの恩返しになればと思っています。