結果を出せる営業マンと普通の営業マンはなにが違うのか。キーエンスに13年半在籍し、営業サポート事業を展開する企業を創業した齋田真司さんは「商品を売ることが営業の目的ではない。キーエンスでは『相手の課題を把握し、それを解決して喜んでもらうこと』が営業の目的だと捉えているため、売ることよりも相手の課題を見つけることを重視している」という――。(第3回)
※本稿は、齋田真司『キーエンス 最強の働き方 新人からベテランまで、最短で成果を最大化するシンプルなルール』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。
「相手の課題を把握する」ことが重要
突然ですが質問です。営業とは、何のためにするものでしょうか?
「そんなの、商品を売るために決まってるでしょ」と思われるかもしれませんが、残念ながらその答えは正解とは言えません。私が学んだキーエンス流の営業は、「相手の課題を把握し、それを解決して喜んでもらうこと」と定義されます。
いきなりそんなことを言われてもピンと来ないと思いますので、順を追って説明しましょう。
・手順1 相手の課題を把握する
まずは「相手の課題を把握し」の部分です。営業というと「自社の商品をがんがん売り込む」というイメージがあるかもしれませんが、ニーズがない相手にそんなことをしても意味がありませんよね。
たとえば清流のそばに住む人にミネラルウォーターを力強くアピールしても、きっと買ってはくれません。ですから、まず目指すのは相手のニーズを聞き出すことです。商品説明と問いかけを通じて、どんな商品に興味があるのか、今何に困っているのか、次にやりたいのはどんなことなのかといった相手の意向を探っていくのが最初の、そして必須のステップです。

