人は意義のあることをしている人や企業を、応援したいと思っています。ですから仕事や事業を成功させるためには、「なぜ自分はこの仕事をしているのか」を語り、共感を得ることが大切です。一流の営業パーソンとは、「なぜ」をわかりやすいストーリーで語ることができる人なのです。お客様が深い部分でCSR向上を求めていることを意識しましょう。

感動的な話を語らないと、CSRは価値を持たない

売れない営業パーソンは、お客様に初めて自社紹介を行うとき、「こういう事業をやっています」「こんなことで御社の役に立てます」という話をします。これでは、お客様に興味を持ってもらうことは難しいでしょう。

一方、一流の営業パーソンはお客様への提案の際に、自社のCSRを語ります。CSRコーポレート・ソーシャル・レスポンシビリティ)とは企業が社会に対して果たすべき責任、もっというと「なぜこの事業をやるか」というビジョンや意義です。CSRを語っていくと、お客様のビジネスと重なるところが必ず出てきます。たとえば、「地球温暖化防止」や「女性活躍」や「教育問題」などです。こちらのCSRと先方のCSRがバチッとはまったとき、こちらの提案がお客様により深く刺さり、成約率を高めることにもつながります。

(構成=久保田正志 図版作成=大橋昭一)