50代以降のダイエットと若い頃のダイエットは何が違うか。内科医の工藤孝文さんは「若い頃は運動と食生活の改善で皮下脂肪を落とすダイエットが主流だ。50代に入って太っている人が若々しくやせたいのであれば、内臓脂肪を無理なく落としていくことが先決だ」という――。

※本稿は、工藤孝文『50代から気になる『老けない』やせ方』(青春出版社)の一部を再編集したものです。

太りすぎの女性
写真=iStock.com/chokja
※写真はイメージです

ジム通いのストレスがシワとたるみをもたらす

50代になって仕事や子育てのピークがすぎると、毎日のジム通いをはじめる人がいます。特に、前々から「いつかやせたい!」と思っていた人の中には、「今度こそ必ずダイエットを成功させる!」と決心して、それこそ、雨が降ろうがヤリが降ろうが、何がなんでも毎日ジム通いをする人もいるようです。

しかしこれも、私は決しておすすめできません。

確かにそれだけしっかりジムに通って体を動かせば、体重は減るでしょう。しかし同時に、肌にシワやたるみが増えてしまう可能性が非常に高くなるからです。

その最大の理由は、ストレス。

そこまで必死になってジムに通えば、かなりのストレスがかかっていることは間違いありません。

フランスのある研究チームが、慢性的な心理ストレスを感じている人とそうでない人の肌の状態を比較した結果、中程度のストレスを感じている人は、軽度のストレスの人と比べて、肌の抗酸化力が下がり、細かいシワが増えて肌が粗くなったと報告しています。

また、同じ研究で、ストレスホルモンとして知られるコルチゾールとエピネフリンが、肌細胞にダメージを与え、コラーゲンやヒアルロン酸の産生を抑制してしまうことも判明。さらに、ストレスが高い人は、肌表面の水分量が低下してしまうとも報告しています。

肌の水分量が落ちると肌のバリア機能が低下し、肌荒れやアレルギー性皮膚疾患なども起きやすくなってしまうでしょう。

慢性的なストレスが肌の新陳代謝を乱し、シミやくすみなどのトラブルの原因になっていることも十分に考えられます。

ストレスは、デブと老けの最大の要因。若々しくやせたいのであれば、間違ってもストレスフルな毎日のジム通いなどやろうと思わないでください。