「仕事なのだから、つねにモチベーション高く臨むことはプロとして当然だ」。確かに考え方としては正論かもしれませんが、実際のところ、モチベーションを部下が自発的に持ってくれるとは限りません。リーダーとして、精神論に頼らず部下のモチベーションを高めるには、どうしたらいいのでしょうか。1on1マネジメントを通じたモチベーションアップの方法を、前後編2回でお伝えします。

「童話マトリックス」をもとに、内面からやる気を引き出す

マネジメント職を任されている人というのは、多かれ少なかれ仕事に対する志が高い傾向にあります。会社から求められた仕事を100%、時に120%の力で応え、出世を目標にした人もいるでしょうし、あるいは「よりよい成果を出すのは当然のことだ」と思って働いてきた人もいるはずです。

でも、「自分がそうだから、部下もそうだ」とは限りません。「前年より成績を落とさなければいい」と思って力をセーブしている人もいるし、「9〜17時まで職務に従事することが自分の勤めであって、モチベーションの有無は関係ない」とドライに考えている人だっています。いずれにせよ、リーダーと部下のあいだにはマインドの差や温度差はあるものだと思っておきましょう。

(構成=岩川悟、吉田大悟 イラスト=Style.T.84 図版作成=佐藤香奈 撮影=玉井美世子)