「マインドフルネス」に対してみなさんはどのような印象を持っていますか? なかには、「スピリチュアルっぽいし、なんだか怪しいなあ」と思っている人もいるかもしれません。しかし、科学的研究が進んだ結果、マインドフルネスには様々な効果が確かにあることがわかってきました。その効果のなかには、「ネガティブな記憶をつくらない」というものも存在します。

「判断しない」ことで、ネガティブな記憶を未然に防ぐ

マインドフルネスは、もともとは仏教の概念であり、チベット仏教の僧侶たちが行う瞑想法です。そこに科学のメスが入り、集中力や幸福度の向上、メンタルの安定といったことに確かに役立つということがわかってきました。

瞑想を長年のあいだ続けてきた、マインドフルネスの達人ともいえる僧侶の脳の活動をMRIで調べてみると、脳のなかの幸福を感じる部分が著しく活性化していることがわかったのです。

(構成=岩川悟、清家茂樹 図版作成=木村友彦 撮影=玉井美世子)