チョコの壁はこうやって作られる

「発売時に比べてチョコモナカジャンボの製造工程も変わりました。特にターニングポイントとなったのは1995年。モナカの山が18になり、中身のチョコをチョコソースから板チョコ状のチョコに変更しました」

実際どのようにチョコモナカジャンボは作られているのだろうか。

「モナカの上に、まずスプレー状のチョコがコーティングされます。その上にアイスを乗せます(下記画像参照)。すぐにアイスを乗せることによりチョコの温度を下げ、モナカに浸透するのを防ぐ効果があります」

画像提供=森永製菓
スプレー状のチョコの上にアイスを乗せてチョコの温度を下げる

「次にアイスの上に液体のチョコを滝のように注ぎます(下記画像参照)。これがアイスの中にあるチョコになるわけですが、板チョコをアイスの間に入れればと思うかもしれません。ですが、それではわずかな隙間がアイスとチョコの間に生じ、食感を損ねてしまうのです」

画像提供=森永製菓
この「滝のチョコ」が板状のチョコになる

ここに再度アイスを乗せ、「壁」になるチョコを横に付け、最後にモナカをかぶせて完成する。

細かい工夫を重ねることで、モナカへの水分移行を少しでも遅らせ、パリパリッの食感を感じるようにしているのだ。

チョコモナカとバニラモナカの違い

日本の消費者は世界でも突出した「バニラアイス好き」だ。グローバルに展開する競合を取材すると、「ここまでバニラフレーバーが支持されるのは日本市場だけ」とも聞く。

競合の「モナ王」(ロッテ)が強かったバニラモナカ市場に、森永製菓が「バニラモナカジャンボ」で参入して11年。最近の状況はどうか。

「非常に好調です。以前は消費者の方には、『チョコモナカじゃないほう』と思われがちでしたが、一方でバニラアイスを好む消費者は多い。商品改良に力を注いだ結果、バニラ好きな人に届いていき、チョコモナカを上回る伸びを示した年もあります」

姉妹ブランドとはいえ、バニラモナカとチョコモナカでは商品設計が異なる。アイスの種類別では、バニラモナカは「アイスクリーム」(乳固形分15%以上・うち乳脂肪8%以上)で、チョコモナカは「アイスミルク」(乳固形分10%以上・うち乳脂肪3%以上)だ。パッケージをあけて比べると、モナカの色も違う。