家庭用アイスクリーム市場が過去最高を更新している。そんな成長市場で最も売れているのが「エッセルスーパーカップ」(明治)だ。人気の秘密はどこにあるのか。経済ジャーナリストの高井尚之さんがリポートする――。
写真提供=明治

家庭用アイスクリーム市場は過去最高の売り上げに

全国各地の小売店で気軽に買える「家庭用アイスクリーム」は、コロナ禍でも堅調な伸びを示す。まずは数字から紹介しよう。

業界団体の日本アイスクリーム協会の調査では、家庭用アイスを中心にした2021年度のアイス市場は「5258億円」(メーカー出荷ベース)。同調査における過去最高を更新した。2017年度から4年連続で5100億円台だったが、さらに伸長したことになる。

2021年度は、最盛期の8月が記録的大雨で数字を落としたが10月以降の下期で取り返した。近年は「冬アイス」(定番商品+秋冬用限定商品)で上半期の不振を補うケースも多い。

そうした好調市場の中で、今回はブランド別首位の「エッセルスーパーカップ」(明治)に焦点を当ててみた。1994年に発売されて今年で28年になるロングセラーでもある。

現在どんな状況なのか。ブランドの取り組みを紹介しながら消費者心理も考えたい。