「消費者とともに歳をとる」とならないために

マーケティングや商品開発の現場では、「ロングセラーブランドは、消費者とともに歳をとる」という暗黙知がある。エッセルはどうしているのだろうか。

「エッセルブランドの若返りとして『コンテンツとのタイアップ』にも注力しています。先ほどお伝えした“モンスターストライク”や、“トミカ・リカちゃん”とのタイアップを行ってきました。

特にトミカ・リカちゃんでは、ファミリーを中心としたコミュニケーションを実施し、未来のメインターゲット(子供)へのアプローチを図ることができました」

家庭の食卓シーンに登場する他の食品でも、人気アニメなどとのタイアップは盛んだ。「子供時代に親しんだ味は、実家を出て1人暮らしをしても支持される」とも聞いた。

最後に、同ブランドから離れ、「家庭用アイス」に対する消費マインドも聞いてみた。

「マルチアイスのニーズが拡大する一方で、ノベルティアイスはSNSの普及により、たとえばコンビニスイーツのような、アイスに代わるデザートが増えています。また、スマホを操作しながらの“ながら食べ”も一般的となりました。

そうした環境ですが、アイスクリームは“キング・オブ・デザート”といわれる人気があり、アイスが持っている基本価値(おいしさ、冷たさ、滑らかさ等)は不変だと考えています」

生ケーキに比べて手軽に買える価格もあるが、「アイスが苦手」という人はほとんどいないという支持層の厚さも、市場や人気ブランドの強さにつながっているようだ。

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