モナカも食感も微妙に違う
「両ブランドのモナカアイスの皮は、似ているようで違います。小麦など成分の配合を変えています。チョコモナカジャンボの方が少し色が濃く、バニラモナカジャンボの方は少し白い。バニラモナカの皮は洋菓子を意識した配合にしているのでビスケットやクッキーに近い。これは弊社の菓子メーカーとして培った技術を応用しています」
先に述べたように、チョコの壁はそもそもバニラモナカジャンボから始まった。以降も、研究は続いている。最近の改良としては、バニラモナカジャンボのモナカの中を覆うホワイトチョコ(「チョココーチング」と「チョコの壁」)に食物繊維原料を追加したことが挙げられる。これは、同社の研究の中で、モナカの吸湿耐性と食物繊維に相関を見つけたことが契機だそう。食物繊維が水分を吸って膨張し、吸湿防止力をアップしているという。つまり、以前よりパリパリッ感が増したわけだ。チョコモナカジャンボとの違いはこんなところにもある。
ちなみにバニラモナカジャンボはシニア層の支持が高く、全体の4割以上を占める。
「焼きモナカジャンボ」の提案
前述した「鮮度」には別の視点もある。新たな情報で訴求するのもそのひとつ。
ロングセラーが多いアイスブランドで最近目立つのが「食べ方提案」だ
「ここ数年、秋冬向けに『焼きモナカジャンボ』というテレビに取り上げられて話題となった食べ方を訴求しています。トースターでチョコモナカジャンボを約30秒焼くもので、モナカが焼きたてのような食感になり、香ばしい風味を楽しめます。バニラモナカジャンボでもできます」
焼き加減は様子を見ながら調整するのがいいようだ。競合品では料理のアレンジレシピとしてアイスを使い、新たな楽しみ方を訴求した例もある。
ずっと愛用するロイヤルユーザーだけでなく、しばらくブランドから離れていた休眠客に「思い出してもらう」ためにも有効な手法だ。
チョコモナカジャンボは2023年3月に価格改定(値上げ)したが、その影響もほとんどなかった。だが、物価の優等生だったアイスも少しずつ高くなった。
「200円未満で買える魅力もあると思います。商品開発はずっと挑戦で、これからも価値に見合った価格と感じていただけるよう、商品の品質向上に取り組んでいきます」