3カ月に一度はセルフチェックを

いま見てきたような問題点のうち、あなたはいくつ該当していましたか?

これらは、脳への影響だけでなく、「好奇心」を失わせるなど全身の健康に深く関係する大問題ばかりです。40代前半までは、周りにこれらの問題があって、日常的にかなりの無理をしていても、なんとかなってしまうものです。

“できる人”ほど、こなしてしまうのです。

そうして中高年になって、体から何らかのトラブルのサインが現れて初めて、「運動不足だったんだ」「睡眠不足だったんだ」「ちゃんと食べていなかったな」と本人が気づくのです。しかし気づいたときには、脳も健康も、相当ダメージを受けてしまっていることが少なくありません。

写真=iStock.com/Hakase_
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45歳を過ぎたら「好奇心脳」を目指そう

45歳を過ぎたら、常にこれらの問題点を念頭において、できれば3カ月に一度、自分の今の生活習慣はどうなんだろう? 環境は? 体調は? と、セルフチェックしてみてください。

左脳感情は自己感情、自分自身を知ることですから、こうした習慣を身につけることで、左脳感情の感度も高まっていきます。

それは同時に、芽生えた好奇心をすぐに行動に移せる“基礎体力”を手に入れることでもあります。

拙著『好奇心脳』では、本稿で見たような中高年のリスクファクターを回避し、「眠っている脳細胞」をあますところなく活性化させるためのヒントを具体的に紹介しています。「好奇心脳」とは、自分の心身が健康に保たれて初めて手にすることができるものなのです。

ぜひ拙著も参考にしていただき、よりよい人生を摑み取ってください。

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