【リスク⑩】リモートワーク
マンネリ脳を招く
コロナ禍が一段落した後も、社会に定着したことの1つが「リモートワーク」です。
長時間家の中で過ごす「巣ごもり生活」は座位時間が長くなり、運動不足になると同時に、脳は自動化し、容易に「マンネリ脳」を生み出す原因になります。
リモートワークを続けることの問題点は、「思考の切り替え」ができにくくなってしまうことです。
通常の生活であれば、朝は、職場や学校に行くために、始業時間や登校時間に合わせて起床し準備をします。電車に乗る時間や到着する時間から逆算して動きます。
会社員であれば、オフィスに着いたらエレベーターを待つ、すれ違った上司や同僚と目を合わせてあいさつをする、タイムカードを押す……と、やるべきことをこなしながら、次々と思考を切り替えるタイミングが訪れます。
ところが、家に居たままだと、そのプロセスがごっそり消えて、思考の切り替えがなくなります。それによってものごとを理解する必要がなくなって、理解力が低下します。
また、外に出る機会が減ることで、運動不足になるだけでなく、新しい人に出会う、自然や景色に触れるといった刺激や経験も格段に減少しています。そうなれば、「好奇心」が芽生えることもありません。
さらに、リモートワークでは、仕事上で何かトラブルがあったとしても、周囲にいる誰かに気安く話せる環境にはありません。結果として仕事の面で孤立化してしまう人も少なくありません。
【リスク⑪】ネット社会
雑多な情報で左脳感情の感度が鈍化
「好奇心」には、情報が必要です。情報が増えれば増えるほど、それに刺激を受けて、やりたいことや見たいもの、食べたいもの、行きたい場所が見つかり、好奇心が芽生えるチャンスが増えていきます。
ところが、現在の「ネット社会」は、膨大な情報が垂れ流し状態にあるだけでなく、正しい情報とフェイク情報が混ざり合い、まさに玉石混淆です。
インターネットやSNSから発せられる情報は、目や耳を通して直接私たちの脳に飛び込んできます。しかも、それらの情報から得られるものは「右脳(他人)感情」を刺激するものばかりです。
今のネット社会では、ニュースやゴシップ、セール情報など、目の前の面白そうな情報に右脳感情が刺激され、好奇心を掻き立てられて飛びついてはみるものの、追求する間もなくあっという間に消費し、すぐに飽きて興味を失ってしまう……その繰り返しです。
その結果、次々と現れる情報を情報として認識しなくなると同時に、左脳感情に関係する脳の部分(脳番地)の働きが鈍って、左脳感情の「感度」が徐々に鈍っていきます。
現代社会を生きる私たちは、情報の洪水の中で、「左脳感情」から生まれる好奇心を見つける術を見失ってしまっているのです。