想定問答を録音してチェックする

質疑応答は即興でのやり取りですが、何も対策できないわけではありません。想定される質問をあらかじめ考えてみましょう。

プレゼンで最も時間をかけて準備した部分はどこですか? 思いつく中で一番難しい質問は何ですか? 誰かが必ず聞いてくるだろうという質問はありませんか? 聴衆の特徴から、質問のタイプの予測がつきませんか?

質問を想定できたら、「これか」を使って説得力のある答えを模索しましょう。そのうえで、質問をきっかけに話を広げてみます。

答えの中で触れたいテーマやポイントは何ですか? こうした質問がそもそも出ないように、あるいは自分が答えやすい状況を作っておくために、プレゼンの内容や会議の議題そのものを見直す必要があるかどうかも検討しましょう。

説得力のある答えを完成させるのが難しければ、頼りになる知り合いに聞いたり、ネットで調べたりするなど、手早く答えを見つけられる手段を探ります。

満足のいく答えが出来上がったら、声に出して言ってみてください。録音し、どう聞こえるか自分でチェックしても良いでしょう。

答えが見つからなければ、本番でどう返事をするか考えます。私は質問への答えがわからない時、その事実を認め、いついつまでに調べて連絡すると約束します。

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質問を募るのは「自分に有利なタイミング」で

質疑応答の時間は、プレゼンや会議の最後に設けられるケースが多いものの、そうでない場合もあります。プレゼンがいくつものテーマに及んだり、2つ以上のパートに分かれたりするなら、節目ごとにいったんストップし、質問を受け付けるのが良いかもしれません。

一般的に言って、10分以上も質問の機会を設けずに話し続けるのは感心できません。質問を募ることで、聞き手の参加を促し、自分の話していることがきちんと伝わっているか確認できます。

逆に中断が多すぎると、プレゼンや会議が長引いてしまう可能性があります。内容が途切れ途切れになり、集中しづらいかもしれません。5分もかからない程度のプレゼンなら、質疑応答を最後にするのがおそらく好ましいでしょう。

まだよく知らないテーマだったり、緊張感が大きかったりする場合、プレゼンを終わらせてから質問を受け付けた方が良いと思います。話しているうちに自信が湧き、聴衆にうまく響いた時の反応に気付けるようになるかもしれません。

それを知っておくと、後で質問に答える際に役立ちます。念入りに準備した内容をまず全部話してしまえば、思いがけない質問によって脱線させられる事態も防げます。

質問をどの時点で受け付けるか、聴衆にあらかじめ伝えましょう。最後に質疑応答の時間を設けると知らせておけば、途中で手を挙げる人が出てくる可能性を下げられます。聴衆の中には、後で聞けるように質問を書き留めておく人もいるかもしれません。

質疑応答のタイミングを含めたプレゼンの構成を明確にしておくと、聞き手が先の展開を心配せずに落ち着いて集中できるようになります。