「質問数」や「制限時間」はルールで示しておく

質疑応答では、話し手が案外強い主導権を発揮できます。受け付ける質問の数、制限時間、対象とするテーマを設定するのは妥当です。こうしたルールをはっきりと示しておけば、適切でない質問への回答を拒否できます。

例えば、「私からの話の後、チームの新規プロジェクトと、その市場ポテンシャルに関する質問を約10分間受け付けます」とアナウンスします。

質問を募るタイミングが来たら、進行のコントロールを手放さないようにしましょう。ただ「何かご質問はありますか」と聞く人が少なくないですが、それはやめた方が良いです。テーマに大して関係ない質問を投げても構わないと誤解されるかもしれません。

最初に設定したルールがあれば、聴衆にあらためて伝えます。「さて、この新規プロジェクトについて何かご質問ありますか? お伝えした通り、質問に答えられる時間は10分ほどです」

最後の決め台詞で「感謝」する

「これか」の型や、その他のテクニックを使って、質疑応答を上手にやり遂げられたとしましょう。

その成功を最後の最後で台無しにしたくはないはずです。それなのに、話し手の多くが「それではどうも」とか、「こんなところですかね」と遠慮がちにつぶやいて舞台から下りてしまいます。

例えば次のように、聞いてもらったことに感謝しつつ、肝心なメッセージやアイデアをあらためて印象付けて締めくくりましょう。

「ご質問ありがとうございました。目標の達成に向け、今回のプロジェクトに全力を注ぎます」

「ご質問とご意見をありがたく頂戴しました。皆様と一緒に、この取り組みを成功させていきます」

聴衆にぜひ持ち帰ってほしいメッセージを一つ選び、それを最後の決め台詞にします。締めくくりの言葉を事前に考えておけば、途中で何が起きても有終の美を飾れるという見通しを持てます。

会議で拍手をする人たち
写真=iStock.com/alvarez
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