会合に真面目に出ていれば評価される
私は自民党の国会議員時代、派閥には一度も所属しなかったが、政策の勉強も、政治家としての立ち居振る舞いも、選挙の仕方も十分学ぶことができた。
党本部の会合に真面目に出ていれば可能なのである。
政策の勉強なら、毎朝、早起きして党本部に行けば、政務調査会のさまざまな部会が勉強会を開いている。朝ご飯を食べながら、各省庁から来た役人たちの説明を聞き、政策を学び、同僚議員と議論を交わす。
自民党議員であれば、誰でも、どの勉強会でも出席できる。
その部会での研鑽と活躍で、党内での地位が高まっていく。官僚たちもどの議員を大事にすべきか注意して見ており、目を付けた議員をいずれ自分の省の大臣にするためには支援を惜しまない。
無能な政治家でも、派閥の推薦で閣僚にしている
また、部会などの党の会合で、長老議員は、新人議員の言動をじっくり観察し、誰を次期リーダーとして育てるべきかを決める。
選挙のときも、どうしても負けられない選挙区には、派閥に関係なく、党全体で支援体制を固める。
人事にしても、重要なのは派閥ではなく、政治家の能力だ。とくに自民党と野党の勢力が拮抗しているときなど、派閥推薦リストに従って大臣を決めるような余裕はない。
2012年末に政権に復帰してからの自民党には、野党になることはないという安心感、おごり、甘えがある。緊張感もなく、無能な政治家でも、派閥の推薦で閣僚にしている。