悪いのは検察ではなく政治資金規正法
派閥の会計責任者は起訴されたが、派閥幹部の国会議員は不問に付された。検察に期待していた国民はこの扱いに失望したようである。
しかし、検察に言わせれば、法と証拠に基づいて職務を遂行しているのみであり、証拠もないのに立件できないという理由しかない。
つまり、問題は政治資金規正法という法律にある。
この法律を改正して、会計責任者のみならず、国会議員の責任を追及できる連座制を導入することなどが検討されている。
検察は安倍政権に忖度していたのか
また、国会議員の関係団体の収入は銀行振り込みにすること、政治資金収支報告書をオンラインで提出することも俎上に上っているという。
法を作るのは国会であり、与野党で議論して法改正を行えばよい。
検察も行政機関の一つであり、長期にわたった安倍政権の下では、検察の独立性を疑いたくなるような政権寄りの姿勢も見られた。
安倍派の裏金疑惑露呈も、政権が岸田氏に移ってから表面化した。検察はそれまで何もつかんでいなかったのか、それとも安倍政権に忖度していたのか。
検察がどうあろうとも、国民が選挙によって判断を下すのが民主主義である。ところが、その民主主義を、ポピュリズムがゆがめ、大衆迎合に走るマスコミがそれをあおる。
検察やマスコミに期待するよりも、投票所で勝負する気概が有権者に求められている。