派閥解散はポピュリズムの極み
大衆を扇動して人気を博し、権力の獲得を目指すのがポピュリストである。
2016年6月の国民投票でイギリス人はEUからの離脱を決めた。2016年の大統領選で、アメリカ国民はトランプを選んだ。どちらもポピュリズムの結果と言える。
結果として世界は多大な迷惑を被ったが、後悔しても後の祭りであった。
こうしたポピュリズムの政治手法が世界に蔓延している。
今回の派閥解散もその典型だと言えよう。
読売新聞の世論調査(19~21日)では、内閣支持率は24(−1)%で過去最低、不支持率は61(−2)%だった。
首相の岸田派解散については、評価が60%、不評価が29%となった。
また、自民党の政治刷新本部に「期待する」が17%、「期待しない」が75%であった。
朝日新聞世論調査(20、21日)では、内閣支持率は23(±0)%、不支持率は66(±0)%。
岸田派解散については、評価が61%、不評価が29%だった。裏金問題への首相の対応については、評価が17%、不評価が75%と、こちらも不評価が圧倒的だ。
支持率が大きく下がらなかったのは、岸田派解散宣言のおかげだと岸田周辺は喜んでいるという。その反応こそがポピュリズムの極みではないだろうか。
もはや派閥は必要ない
派閥が必要な理由として、新人議員を教育・育成するため、という意見もある。
たしかに新人議員の教育は派閥の機能の一つだ。右も左も分からない1年生議員に、派閥が、礼儀作法、政策、選挙の戦い方などを教育する。
だが、今の自民党本部には、そのような機能が備わっているため、派閥に所属する必要はない。