就職面での「慶應ブランド」はいまだに健在
合併交渉の舞台裏でいくつかの障害が発生したことは想像できる。大学は「統合等により双方に不利益が生じないよう、特に学生が最大の受益者であるように、十分に考慮を重ね」るとしているが、こんなに悠長なことを言っていられなくなった。慶應義塾大関係者によれば、東京科学大誕生の衝撃が大きかったようで、慶應義塾大歯学部誕生に向けて交渉を急ぐとみられている。
医療系分野で早慶MARCHのなかで絶対的な存在感を示すが、前述のように2020年代に入ってから、文系学部は早稲田大に人気面で逆転されている。しかし、慶應義塾大のブランド力は揺らぐことはない。就職実績は抜群だ。2022年の慶應義塾大が就職先1位となっている金融、商社には、みずほフィナンシャルグループ51人、三菱UFJ銀行69人、日本郵政28人、伊藤忠商事19人、三菱商事25人などが並ぶ(大学通信調べ)。