目覚めの良さは「血圧」ではなく「体温」で決まる

おそらくほとんどの方が、「血圧が低い人=目覚めが悪い人」だと思っているのではないでしょうか。

実は私もそうだったのですが、睡眠を正式に学んだ初日に「血圧の低さと目覚めの悪さは関係ありません」と授業で習った時には大変驚きました。なぜなら実際にそう言っている人に今まで何人も会ってきたからです。

しかし、その授業をされていた方はドクターですし、睡眠に関しての権威でしたので信用することにしました(後で調べてもやはり絶対ではないですが、その説が有力なようです)。

では、一体何が目覚めと関係するのかというと、実は「体温」なのです。次のグラフで見るとほぼ完全に同じ曲線を描いています。人は朝になると自然に体温が上がるのですが、この上昇の仕方が目覚めを決めるのです。

イラストレーション=髙栁浩太郎

ですから血圧の低い人でも体温が上がるようになれば目覚めも良くなります。

この事実を理解していないと、血圧が低いのでゆっくり起きて、あまり体を動かさないために、さらに目覚めが悪くなるという悪循環になってしまいます。

しかしこの事実を知っていれば、むしろどう体温を上げればよいのかという発想になります。もちろん朝から歩いたり掃除をすれば体温は上がりますが、それはいきなりハードルが高く、失敗してしまう可能性が高いです。

朝1杯の白湯の持つ効果

確実に成功するおすすめの体温を上げる方法は、まず室温を上げることです。夏だと朝方だけクーラーを切る、冬なら暖房を付けるといった具合です。

角谷リョウ『働くあなたの快眠地図』(フォレスト出版)

朝起きる時間に合わせてタイマーで湯船を張れる方は、朝風呂は確実に体温を上げてくれます。もちろん朝シャワーも有効です(42℃以上のお湯を使うことをおすすめします)。

最後は白湯を飲むことです。人は胃の中に物が入るとまず胃が動き、その後腸も動き出して体温が上昇します。

男性や胃の強い方は常温の水でも体温が上がりますが、そうでない人は常温の水でなく白湯を1杯飲まれますと、体を冷やすことなく確実に体温が上がって気分よく目覚めることができます。

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