コレステロールは体に必要不可欠な物質

「今日の午後はプレゼンだ。昼はカツ丼を食べて気合を入れるか。いや、待てよ。少し腹も出てきたし、この前の健康診断ではコレステロールも高かった……。やっぱりここは野菜炒め定食にしておくか」

若いころは何も気にせず好きなものを食べていた人も、中年になっておなかまわりが気になりはじめると、だんだん食事に気をつかうようになってくるようです。ただし、日ごろから節制を心がけていれば健康で長生きできると思ったら大間違い。逆にその我慢があなたの寿命を縮めているかもしれないのです。たとえば、日本ではコレステロールは体によくないからできるだけ摂らないほうがいいと信じられています。それゆえ、健康に関して意識高い系の人ほど、マヨネーズのようなコレステロールを多く含む食品を避けがちです。でも、そんなはずはありません。細胞膜や性ホルモンなどの材料となる、体にとって必要不可欠な物質であるコレステロールは、コロナウイルスやバイ菌などとは違うのです。

それなのに、なぜコレステロールは健康の敵のような扱いをされているのでしょう。原因はアメリカです。1948年から10年かけてボストン郊外のフラミンガムで行われた疫学研究で、血中コレステロールが高いほど虚血性心疾患が増えるという結果が出ました。これが拡大解釈されてコレステロールは低ければ低いほうがいいという考え方が世界中に広まり、日本の医者もそれを頭から信用してしまったのです。