女性管理職は生理のつらさが分からないのか

これらのデータから分かることは明白だ。女性管理職のほうが、男性管理職より、生理の不調問題に関して明かに厳しい見方をしているということだ。

女性管理職は、「同じ女性であるからこそ生理のつらさが分かる」と思われがちだが、女性管理職は、「(生理による)つらい症状はほとんどない(なかった)」人の割合が多く、「つらい症状がある(あった)が治療などで乗り越えた」人の割合も少なくない。その結果、「女性管理職は、生理のつらさが分からない人の割合が多い」のだろう。

「症状がひどくないのに生理休暇を使っている女性がいると感じることがある?」との問に「ある」と、男性管理職より女性管理職が多く答えたことは、女性管理職の生理の不調問題に関する厳しい姿勢を端的に表している。

実際、筆者が主宰している「月経前の悩みに寄り添う会」にも、女性上司に無理解な言葉をかけられて傷ついた経験を持つメンバーは珍しくない。

現在、金融業界で働くIさん(30代)は、入社して2〜3カ月経った頃、いつも隣に座って仕事をやさしく教えてくれた女性上司(40代前半)に、「自分が生理前になると気分の落ち込みがひどくなり、仕事を休んでしまうこともある」ということを、他の社員がいないタイミングで勇気を出して伝えたところ、憤慨した様子でこう言った。

「(そんなことを会社で言うなんて)ちょっと非常識ですね」

それまで上司との関係は良好だったが、それ以降、冷たい対応をされているという。

また、サービス業に従事するMさん(20代)も、直属の女性上司(40代後半)に、ひと月に一度ほど仕事を休む理由についてたずねられた時に、生理前になるとちょっとしたことでイライラしたり落ち込んだりと、感情のコントロールが効かなくなるほか、生理になったらなったで、寝込んでしまうほどの腹痛に見舞われることがあることを打ち明けた。すると、「女性なら誰でも我慢している」「自己管理できないあなたがおかしい」などと責められたという。こうしたことが言える女性は、生理による不調があまり重くないか、痛みなどの不調に耐える能力が高いのかもしれない。

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しかし、発熱に強い人もいれば、弱い人もいる。血を見て卒倒してしまう人もいれば、平気な人もいるように、生理のつらさも不調の感じ方も人それぞれだ。

Mさんは、生理の不調もつらいが、それよりもつらいと感じるのは、「自分のつらさを理解してもらえないとき」で、中でも「同じ女性から理解を得られないとき」だと話す。