生理用品と成人向け雑誌を同列に語るツイートに「1.5万いいね」
2016年、「被災地の避難所へ生理用品を運んだら高齢男性に『こんな非常事態に不謹慎だ』と受け取りを拒否された」という話がSNS上で出回りました。
この話に登場する「生理を性欲的な何かだと思ってるおじいさん」は実在するのかしないのかに注目が集まり、ニュースサイトが検証した結果、「この話自体が事実ではない」という結論になっていました。
しかしこの架空の「生理を性欲的な何かだと思ってるおじいさん」を通して、多くの女性の中にある「生理の話が男性に通じなかった時のエピソード」が呼び覚まされ、SNSにたくさん書き込まれました。
「そういう男性がいてもおかしくはない。むしろありえる」と思えるからこそ、「ありえない」で終わらず「本当にいるかどうか」の検証がされたのではないでしょうか。
2019年に大手コンビニ3社が成人向け雑誌の販売を中止すると発表した時も、Twitterでは「(エロ本をコンビニで売ることが女性の人権の軽視と言うなら)ドラッグストアで堂々と生理用品を売っていることは男性軽視なのでは?」という、男性向け成人雑誌と生理用品を同列に語るツイートに1万5000「いいね」が集まりました。
そのツイートに賛同する方のコメントを読んでみると「男は精子が溜まると放出しなければいけないんだ、男にとってエロ本は生理用品と同じくらい必需品なんだ」と書いてありました。
それを言うならエロ本ではなくティッシュでは? いや、ティッシュはその時のためだけのものじゃないし……。
ツッコミどころが満載すぎる上にいろいろ間違っている。だけどイチから説明しても理解してもらえなさそう。1.5万も「いいね」されてるし。
「生理について知らない男性」との深い溝
閉口してしまうほど「生理が訪れる体を持つ女性」と「生理について知らない男性」の溝は複雑に深い。
でもその原因を追究すれば、「学校での生理についての指導の時、男子を別にしていたからだ」という答えに1秒足らずでたどり着きます。
男たちが生理について詳しく知らないことによって、女たちが苦労し面倒なことになる。
2010年代後半のネット上のこうした話題は、その事実がハッキリと可視化した瞬間でもあったのではないでしょうか。