国連女性機関が10月半ばに発信したツイート「男性は何かをする必要がある」が炎上した。なぜ男性は猛反発したのか。文筆家の御田寺圭さんは「世の多くの男性にはすでに男女平等の精神が浸透している。それにもかからわらず、同機関がジェンダー平等を謳いつつ、女性にとって快適で有益な“男らしさ”だけは一方的に要求するような文面が時代錯誤の性差別主義に見えたのだろう」という――。

「男性は何かをする必要がある!」⇒大炎上

UN Womenこと「ジェンダー平等と女性のエンパワーメントのための国連機関(略称:国連女性機関)」の公式ツイッターアカウントが、何気なく投稿した『男性は何かをする必要がある。』と題された一連のツイート(10月18日投稿)が、男性たちから激しい批判を浴び、一瞬で燃焼温度を超えてしまったのである。

あらゆる人びとのジェンダー平等を擁護するためには、男性が積極的に協力し、「男らしく」行動する必要があることを訴えるというアンビバレントな言明は、リリースした直後から激しい批判にさらされてしまった。

「男性差別するな」
「『すべてのジェンダーの人びとが共に取り組もう』と言いながら呼びかけてるの男性に対してだけじゃないか」
「ジェンダー平等のために『女性を守る男らしい行動』を求めるのは矛盾している」
「女性が建設や運輸や林業などでも男性と同じくらい働くようになってから言うべきだ」
「男の方が自殺してますよね? 幸福度も低いですよね? それについて女性は『何かする必要』はないんですか?」

――などといった主旨の批判が数えきれないほど寄せられている。付言しておくが、その多くが単なる誹謗ひぼう中傷ではなく正鵠せいこくを射た意見であるだろう。

いったいなぜこのような「猛反発」が起こってしまったのだろうか。一部のリベラルな有識者はこの状況をうまく吞み込めなかったようで、「日本がいまだ女性差別が根強く残っている証拠である」とか「インターネットにミソジニー(女性に対する嫌悪や憎悪)が溢れていることを浮き彫りにしている」などと解釈してしまっているようだ。しかしながらそれは端的に誤りである。