「そこに愛はあるんか」追悼文の格差はこれに尽きる

「かたりあひて」の一文はあえて、繰り返している。安倍氏との深い仲だからこそ、知りえた、出来過ぎとも言えるエピソードだ。

菅氏の決して流暢ではないが、とつとつと情感を込め、時折感極まって、声を詰まらせるシーンも、周囲の涙を誘った。

スピーチ中の「天はなぜよりにもよってこのような悲劇を現実にし、命を失ってはならない人から生命を召し上げてしまったのか」という言葉には、「安倍氏だけが、命を失ってはならず、ほかの人の命はどうでもいいのか」と違和感を覚えた人もいたが、これは、菅氏にとっては、まるで家族のように「愛していた」人を失った悲しみ故の「行き過ぎた」表現だったのかもしれない。

菅氏の追悼の辞は、まさに「女房役」として、支え続けた人への最後の「恋文」だった。

「そこに愛はあるんか」

岸田氏と菅氏の追悼の言葉の重みの隔たりはそこに尽きるのではないだろうか。

関連記事
仕事ができる人は知っている…「よろしくお願いします」より効果的なメールの締めのフレーズ
「安倍元首相の死は自業自得だ」と言う安倍批判派の人たちに伝えたい「安倍晋三・昭恵夫妻」の知られざる姿
元海自特殊部隊員が語る「中国が尖閣諸島に手を出せない理由」
頭のいい人はそう答えない…「頭の悪い人」が会話の最初の5秒によく使う話し方【2021下半期BEST5】
「間違えたんだから、責任を取れ」オペレーターに詰め寄るモンスター客に上司が放った"爽快なひと言"