セロトニンが不足すると、イライラして攻撃的になったり、反対に気分が塞ぎ込みやすくなったり、意欲が低下してうつ症状が出ることもあります。

先述の食材以外では、肉や魚にもトリプトファンが含まれていますが、動物性たんぱく質には「BCAA」と呼ばれるアミノ酸が含まれており、トリプトファンを脳に送り込むのを阻害するので、動物性たんぱく質よりも魚や植物性たんぱく質から摂るようにしましょう。

黒い食材を食べると身体はぽかぽかに

暖かい部屋にいても手足が冷たい、体温が上がりにくいなど、季節を問わず冷え性に悩まされている人は少なくありません。リンナイ株式会社が2016年に行った調査によると女性では8割、さらに男性でも4割以上の人は冷え性の自覚があるといいます。

冷え性を改善するには、筋肉量を増やし、不規則な生活習慣を改めることも重要ですが、食事で内側から身体を温めることも必要です。

特に意識して摂ると良いのは「黒い食材」です。黒砂糖、黒豆、黒ごま、黒酢、しいたけ、きくらげ、ひじき、わかめ、しょうゆなどがあります。

黒い食材に含まれる色素には、アントシアニンやルチンなど、ポリフェノールや栄養素が豊富に含まれており、血流を活発にして身体を温める作用があります。

トマトは暖色系だが身体を冷やす食べ物

南涼子『一瞬で心が整う「色」の心理学』(青春出版社)

また、赤、黄色、オレンジ色などの暖色系や、色の濃い食べ物は身体を温めるものが多く、白、緑の食べ物は身体を冷やす傾向があります。

ただし、冬が旬で、寒冷地で育った野菜や果物は身体を温めます。一方、夏が旬、暖かい地域で育ったものは身体を冷やします。トマトのように暖色系の食べ物のなかにも身体を冷やすものもありますので注意してください。

また、肉、魚も赤身のものは身体を温め、白身や脂身の多いものも身体を冷やします。体温は1度違うだけで、身体の免疫力が大きく違ってきます。人間の身体は36度5分以上の体温で正常にはたらくようにできているので、冷えが気になる人は身体を温める色の食材を常日頃摂るようにしてください。

[1]Newman, D. J., Cragg, G. M., Snader, K. M. (2000). The influence of natural products upon drug discovery. Nat. Prod. Rep. 17 (3), 215–234. doi: 10.1039/a902202c

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