高血圧や心臓病の予防にもなる「食べる薬」

実際にアメリカで、1940年から2014年までに承認された抗がん剤の約50%は、天然植物に由来する成分であることも明らかになっています[1]。

そうしたことから、フィトケミカルの色は「がんと闘う色」ともいわれています。

その他にはアレルギー、高血圧、心臓病、動脈硬化の予防、肝機能の保護、コレステロールの調整、視力低下の予防改善など、数多くの疾患に有効であることもいくつかの研究で判明しています。

こうしたことから、野菜と果物の色は健康と等しく、「食べる薬」といえるでしょう。

食べる色が多ければ多いほど全体的な健康により効果も期待できるので、お皿の半分以上を「虹のように、色とりどりの果物や野菜で満たす」ことを心掛けて欲しいと思います。

見た目的にもカラフルな食生活はきっと健康に導くことでしょう。

若返り効果が最も高いのは「緑」の野菜

フィトケミカルのほとんどには、「抗酸化作用」があります。抗酸化作用とは、物質の酸化を防ぐはたらきがあるということです。

例えば、りんごの切り口が時間と共に茶色くなるのは「酸化」によるものです。私達にとって酸素は生きていく上で重要なものですが、実はこの酸素こそが身体を錆びさせる原因なのです。

若いうちは身体も抗酸化力を十分に備え持っていますが、年齢と共にこの物質は少なくなります。そして酸化するほど身体は老化し、生活習慣病、がん、その他疾患に見舞われやすくなるのです。

つまり、抗酸化力が強い食べ物を摂ることが、最も若返りへの近道であり、健康的に生きる秘訣なのです。

植物は太陽の光を浴びて、光合成を行います。この際に酸素が発生する訳ですが、この酸素こそが、生命体に害を及ぼす活性酸素となって酸化を引き起こし、植物自身にダメージを与えます。これを防ぐために植物は抗酸化物質である「色素」を作り出したのです。

植物は色素のない白の他、赤、オレンジ色、黄色、緑、紫、茶色、黒などの多種多様な色があります。これらの色素は、「ポリフェノール」や「カロテノイド」「クロロフィル」「ビタミンA・B・C・E」などと呼ばれる「抗酸化物質」によって作られたものです。

色素が多い色ほど抗酸化成分が多いので、「色が鮮やかで濃い」野菜や果物のほうが若返り効果はより強くなります。

なかでも若返り効果が最も高いのは、「緑」の野菜類です。