「健康に気を遣うようになった」と反応は上々

そのためには、現場の実態と要望を理解した上で、企業が目指す姿や背景、「オフィスおかん」のメリットを現場にしっかりと伝えることが重要だと沢木氏は語る。

東京メトロの導入事例でも、企業の目指す健康経営という課題を伝えるとともに、必要なカロリーを満たし、従業員が満足する食事を提供できるよう、コミュニケーションを欠かさないようにしているという。導入から半年が経過したが、こうした努力が実を結び、駅員からの反応は上々だそうだ。

提供=OKAN
冷蔵庫から取り出す様子

沢木「商品に関しては、『普段、自分で選ばないような商品も食べられてうれしい』『自然と健康に気を遣うようになった』などの声をいただいています。一方、鉄道業界が体力を使う仕事であることから、『ボリュームを増やしてほしい』という声は多数いただきました。そういった声を、商品開発にも生かしていきたいと思っています」

昨今は、新型コロナウイルスの集団感染を防止するために一時的に食事当番制をとりやめている鉄道事業者があったり、近隣の飲食店が休業している影響で、食事調達をもっぱらコンビニ通いで済ませていたりと、駅員の食事事情は揺れている。

OKANは、東京メトロへのサービス導入で培ったナレッジを生かし、今後もインフラ業へのサービス提供に力を入れていくとしており、こうした鉄道事業者の受け皿となることを目指している。交通の現場が今後も持続可能であるために、人材定着と健康の両面から取り組みを進める「オフィスおかん」に今後も注目していきたい。

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