参謀のようにサポートする「フォロワーシップ」の姿勢

答えは「フォロワーシップ」にあります。

フォロワーシップとは、「上司自身にスキルの不足や見えていない問題があるなら、参謀のようにサポートする姿勢」のことをいいます。

確かに、組織には少なからず、問題はあるものです。当時の私には、このフォロワーシップの考え方は一切ありませんでした。そのため、組織の問題に対するセンサーの感度も弱かったと思います。自分の業務上の問題にのみ関心を持ち、上司の立場では物事を見ていませんでした。

「もっと、来ていいよ」は、提案や相談があるならもっと来ていいよ、ということ。さらに言うと、「1つ上(私)の立場で、問題があるなら教えてね」ということなのです。

その後、私はフォロワーシップの権威、カーネギーメロン大学のロバート・ケリー教授の著作などを通じて、フォロワーシップの考え方を学びました。そして数多くのビジネスパーソンを見てきましたが、このフォロワーシップをしっかりと発揮できている人は、ごくわずかです。

上司の信頼を勝ち得る人に、チャンスは訪れる

だからこそ、そのわずかな人が「上司からの信頼を勝ち得て、チャンスが集中する」という法則が世の中にはあるのです。実際、私がこれまで出会った、いわゆる一目置かれるリーダーもスペシャリストも、上司に対して、遠慮せずに議論をしていたり、時には苦言を伝えていたり、まさにフォロワーシップを発揮している方ばかりでした。

このフォロワーシップを知らないと貧乏くじを引く、と言っても過言ではありません。拙著『トップ3%の人は、「これ」を必ずやっている』では、あなたが理想のキャリアを手に入れるために不可欠となる、フォロワーシップの高め方と、その具体的な実践手法を紹介しています。

これはいかなる仕事もそうなのですが、上司との間に「ズレ」があると、いくら頑張っても報われない「残念な人」になってしまいます。いくらフォロワーシップを発揮しようとしてもうまくいきません。

空回りしないためにもチェックをしておきましょう。