前回は、現代のプロフェッショナルの条件を3つ挙げたうえで、アメリカ人シェフを紹介してもらいました。今回は、西洋の料理人が憧れるという日本人の登場です。本物のプロフェッショナルの共通点にも触れます――。(2023年5月15日レター)

「西洋の料理人がこぞって心を奪われた」と言ってもいい料理人がいる。東京・青山「NARISAWA」のオーナーシェフ、成澤由浩(なりさわ・よしひろ)さんだ。

この30年ほどのトレンドとして、欧米の料理人は食感や色彩の驚き、それらを実現する食材の多様な使い方を追求してきた。成澤さんは、山と生活圏との中間に位置し、人と自然が寄り添いあって共存する「里山」に着目し、激しい季節の変化、食の多様性、自然へのリスペクト、食の持続性をそっくりそのままビジュアル化、ガストロノミー(美食学)のレベルで料理化し、世界の料理人から注目を浴びるようになった。

(構成=荒川 龍)