本連載では、“伝説のトップコンサルタント”堀紘一氏に、メルマガ編集チームがまとめたリーダーたちの悩みをぶつけ、ズバッと斬っていただきます。(2022年4月11日レター)

――客観的にみてハイレベルな企画書を作り提出したのに、上司が評価してくれません。このことに限らず、上司の決定には違和感を持つことだらけです。上司に理解力が足りないのでしょうか。

【堀】私が三菱商事にいた頃、とても勉強家で面白い小説をすすめてくれたり、さまざまなことを教えてくれた先輩がいました。その先輩から、「いつもワンランク上から物事を見てみるといいよ」と教えられました。それは、平社員は係長の目線で、係長なら課長になったつもりで、課長は部長になったつもりで、部長は事業本部長ならどう見るかを考えるという具合に、今の自分のポジションよりもワンランク上の視点に立って考えてみなさい、ということでした。これは的を射た教えだったとつくづく感じています。

(構成=今井道子)