『上司は思いつきでものを言う』というベストセラーがありました。朝令暮改、午前中に出した指示で動いていたのに、夕方になってまるで正反対のことを言われる……。ビジネスパーソンなら誰でもそんな経験があるのではないでしょうか。そんな時に生ずる衝動的な怒りをどう鎮めるか。まずは、怒りのメカニズムを理解することです。
怒りのメカニズムを理解する
昨日、Aと指示があって仕事に取りかかったのに、今日になったら急に「Bへ変更だ。よろしく」と上司が言ってきた。いままでやったことが、すべてムダになってしまうではないか。そういえば、同じようなことが、2週間前にもあったっけ。振り回されるこっちの身にもなってほしいよな。上司の顔を思い出すだけで嫌になってくる……。
ビジネスパーソンは誰しも組織の一員であり、上司の指示に従うのが原則です。同じような不満を抱いている職場の仲間と、退勤後の飲み会で上司を批判し合って、不満を解消するしかないのでしょうか。でも、そのときはすっきりするかもしれませんが、置かれた状況は何ら変わりません。酔いがさめた翌朝には、再び不満が頭をもたげてくるでしょう。
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(構成=伊藤博之 撮影=柳井一隆 図版作成=大橋昭一)

