とかくスムーズに行かないことが多い上司と部下との関係。人間関係がうまくいかなければ、仕事中の集中力にも大きく影響するでしょう。わずらわしい人間関係に仕事の邪魔をされないようにするために、まずは集中力を阻害する脳のメカニズムを理解することです。そのうえで起伏を制御して集中力を高める方法について考察していきましょう。

人間の集中力の持続は15分?

人間の「集中力」に関しては、様々な研究がなされています。1つのことに集中している時間のことを「アテンション・スパン」と言いますが、集中力が持続する時間は15分程度というのが通説になっているようです。テレビ番組を見ていると、だいたい15分置きにCMに切り替わります。集中力が続かなくなった時点で、CMに触れてリフレッシュさせるという、理にかなった編成にしているわけです。

また、人間は生まれてから年齢とともに集中力がアップしていき、43歳前後でピークを迎えるという研究結果もあります。40代の中間管理職の方々は、「働き盛りを迎えている」とよく言われますが、集中力の観点でも一番脂がのった時期にいるわけです。

(構成=伊藤博之 撮影=柳井一隆 図版作成=大橋昭一)