富士山噴火が巷の話題になって久しいが、日本列島にはさらに大きな噴火が控えている。超巨大噴火または破局噴火と呼ばれるもので、九州から北海道まで火山灰に覆われる激甚災害となる現象である。

『超巨大噴火の地球科学 大量珪長質マグマの成因とマグマシステム』
『超巨大噴火の地球科学 大量珪長質マグマの成因とマグマシステム』●高橋正樹 著●東京大学出版会●本体価格5,400円+税

こうした天変地異を研究する学問は地球科学だが、火山噴火から地下にあるマグマまで知り尽くした第一人者が決定版となる解説書を出した。400ページの厚さにもかかわらず記述が極めて明快で、生活に身近なメッセージが随所に添えられ最後まで読み通せる。

超巨大噴火が起きると火山の地下にあるマグマだまりが空になり、噴火口に巨大な陥没地形、すなわち「カルデラ」を作る。3万年前に南九州の姶良あいらカルデラから噴出した火山灰は、日本列島のほぼ全域を覆い尽くした。その後「不毛の荒廃した大地に再び照葉樹林が繁茂するようになるまでには、おそらく数百年以上の長い歳月が必要」(本書45ページ)だった。