人と人との距離感はどのくらいが適切か。心療内科医の鈴木裕介さんは「どのくらいの親密さが自分にとって快適と感じるのかを示す『愛着スタイル』は、『安定型』『回避型(愛着軽視型)』『不安型(愛着不安型)』と大きく三つのパターンに分けられる。重要なのは、それぞれのタイプや行動特性を持つ背景に、それぞれの正当な理由があると知ることだ」という――。

※本稿は、鈴木裕介『「心のHPがゼロになりそう」なときに読む本』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

勉強する男の子とお母さん
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どのくらいの親密さが自分にとって快適と感じるのか

【愛着スタイル】
“心の間合い”における「近接型・遠隔型」タイプ

先の記事では、「生きづらさを感じている人が当てはまりやすいタイプ」として、「うつになりやすい『真面目な英雄』タイプ」について解説しました。

本稿では、続いて上記の「愛着スタイル」について紹介していきます。

これはイギリスの精神科医、ジョン・ボウルビィ氏が提唱したもので、周囲の人たちとどんなつながり方を望むか、どのくらいの親密さが自分にとって快適と感じるのかを左右する傾向のことです。

言うならば、「心の間合い」のようなもの。

ゲームでも、使うキャラによって得意な間合いが違います。ナイフ使いや格闘家のように超接近戦が得意なキャラもいれば、弓矢や銃の使い手のように遠距離戦のほうが得意なキャラもいる。

弓使いが敵からの間合いを詰められると困ってしまうように、自分が相手とどのくらいの心の距離感を保っていたいかは、人によって違います。