※本稿は、鈴木裕介『「心のHPがゼロになりそう」なときに読む本』(三笠書房)の一部を再編集したものです。
「生きづらさ」を感じやすい人
自分のことを正確に理解するためには、どうしたらいいのでしょうか。
正確に理解するのが難しいものを、それでもきちんと理解しようと思った時、とても役に立つのが「枠組み」です。
古今東西の賢人たちが、人間の行動や心理パターンを研究して提唱した様々な枠組みは、多くの事例を基にした分類ですから、客観性があります。自分を正確に理解するという非常に困難な作業の大きなヒントになるでしょう。
また、枠組みに当てはめて類型化ができるということは、同じようなパターンで苦しんでいる人が多いということでもあります。
つまり、それは「その苦しみを克服しようとした多くの先人たちの知恵を存分に使える」ということです。独力で一から考えるよりもずっとラクで、的確な攻略法を考えやすくなるんですよね。
ここでは、賢人たちの知恵を参考に、「生きづらさを感じている人が当てはまりやすいタイプ」について、代表的なものを二つほど挙げます。
タイプ①うつになりやすい「真面目な英雄」タイプ
タイプ②“心の間合い”における「近接型・遠隔型」タイプ
上に挙げた二つは、僕が実際に患者さんに説明した時に、「当てはまる!」「私のことです!」と言ってもらうことが特に多いなと感じたものであり、自己理解の役に立ちやすいものになるかと思います。
ちなみにここで言う「タイプ」とは、人の「思考の特性や行動パターン」に関するものですが、生涯変わらないわけではありません。
また、「タイプ」で分類することの本来の意図は、「誰かを型に無理やり当てはめて判断する」ことではありません(それはとても暴力的な行為です)。
あくまでも自分をより深く理解するツールとして、当てはまる部分があるなら、今後の改善のために参考にしよう、というのが本筋だと思います。

