生き残る会社と、生き残れない会社を見抜くために、経済ニュースは重要です。何を目的としてニュースを見るか、当然ながら、目的別にニュースの見方、読み方は、変わってきます。ここでは、株式投資を念頭において、経済ニュースから何が読み取れるのか、具体的な企業のケースを見ていきましょう。

過去の有価証券報告書をもとに過去のニュースをチェック

できるビジネスパーソンにとっての必読新聞である「日本経済新聞」の読み方については、セクション3で詳しくお話しました。記事内容の影響の大きさから「マクロ」「ミドル」「ミクロ」という3つの段階に切り分けたうえで、読み進めることがポイントになることを紹介しました。日経に掲載されているような経済ニュースを読む目的は、政府や日本銀行の政策の変化に目を光らせたり、何か新しいビジネスシーズを探すためだったり、人によって変わってきます。ここでは、儲かっている会社を見い出す一策として、主に株式投資を念頭に置いた、個別企業のニュースの読み方について見ていきましょう。

私の場合、気になる会社があったら、まずその会社の財務状況をざっくりとチェックします。そのうえで、自分なりに気になる点を整理し、グーグルなどの検索サイトを活用して、その会社にまつわる過去のニュースに当たっていくようにしています。財務状況のチェックで便利なのが、「有価証券報告書」の冒頭に出ている「企業の概況」です。上場会社であれば、ホームページのIRライブラリーに過去の有価証券報告書がアップされています。

(構成=伊藤博之 撮影=横溝浩孝 図版作成=大橋昭一)