クラシエホームプロダクツ 
カテゴリーマーケティング部 
小林慎太朗氏

クラシエホームプロダクツは11年12月、アイドルグループ、嵐の大野智さん主演の『映画 怪物くん』とコラボレーションをして、「ナイーブ」の限定商品「スイートストロベリー」を発売した。同商品は、通常の倍以上の出荷スピードとなる人気ぶりだ。

しかし、ボディソープと映画は異色の組み合わせ。「ナイーブ」ブランドのマーケティングと商品開発のリーダー、小林慎太朗氏は、コラボの経緯を次のように話す。

「ボディソープは特定商品に顧客がつきにくい商品で、使用するブランドを固定していない層が6割に達します。この層のお客様にアピールするためには目を引く仕掛けが必要です。そこに舞い込んできたのが『ナイーブ』のイメージキャラクターを務める大野さんが映画に主演する知らせ。新しい仕掛けを模索していた私たちにとって大きなチャンスでした」

ただ「ナイーブ」は、20年近い歴史を持つ同社の看板ブランドで、多くの消費者から支持を得ている人気商品。下手に新しいことをすれば、長年にわたって築き上げてきたブランド価値が棄損される恐れもある。

「コラボを提案すれば、社内から『あえて挑戦的なことをする必要があるのか』という声が出てくることはわかっていました。当社における『ナイーブ』の重要性を考えれば当然です。そうした疑問を解消して全社的な協力をとりつけることが、ブランドマネジャーの仕事でした」

コラボの実現のためには、社長と役員の前で行われる、11年10月末の承認会議でのプレゼンテーションを成功させる必要があった。ここが大きな山場だ。経営層から承認をとりつけるためにどのような準備をしたのか、さっそく見ていこう。