どうすれば先送りグセは直るのか。作業療法士の菅原洋平さんは「脳は一度見たものを実行したがるクセがある。気になるものが目に入らない環境をつくることが重要だ」という――。
※本稿は、菅原洋平『すぐやる! 「行動力」を高める“科学的な”方法』(文響社)の一部を再編集したものです。
いつのまにか無駄なことをして時間を溶かしがちな理由
「テレビを見よう」と思っていたわけではないのに、帰宅したら習慣的にテレビをつけてしまい、そのままテレビタイムに突入した。
つい手に取ったスマホでSNSを見たら、けっこうな時間が過ぎてしまった。
仕事中にパソコン画面を見たら気になるニュースがあって、つい読みふけってしまった。
このような経験はありませんか?
「気がついたら、やるべきこととは別のことをしている」というのは、私たちの「すぐ「やる」を邪魔する大きな要因です。
脳は、目から入った情報に、もっとも大きな影響を受けています。
たとえば初対面の人と会ったときに、私たちは無意識のうちに「相手がどのような人か」を判断しようとします。「メラビアンの法則」によると、その判断に与える影響は、視覚(見た目)が55%、聴覚(声の調子)38%、言葉(話した内容)は全体の7%程度といわれています。
相手がどんなに立派なことを言っていても、見た目が伴っていなければ、私たちは無意識に見た目のほうを重視してしまう。見てしまったもの、つまり脳に見せてしまったものは、なかなか覆せない。
「一度脳に見せてしまったら、もう逆らえない」のです。

